同じお料理をいただきながらつながる一体感。
少人数から大規模宴会まで大型レストランができること。

銀座クルーズ 様

東京・横浜を中心に大型レストランチェーンを展開する株式会社 銀座クルーズ。企業の懇親会やウエディングなど大人数の宴会から、少人数のグループまで受け入れるバラエティに富みますが、コロナ禍の影響は避けられません。この状況を打破しようと企画したのが、外食の新会食スタイル『オンライン会食“オウル(Owl)インワンパックプラン”』です。少人数で集うレストランと遠隔地からの参加者をオンラインでつなぎ、かつ両者に同じメニューを届けるというもの。「クルーズ・クルーズSHINJUKU」を訪ね、プランの詳細や開発経緯を伺いました。

(右から)クルーズ・クルーズSHINJUKU 営業部 次長 エリアマネージャー 渡邉雄基さん、営業部 課長代理 プランニングセンター 吉川夏希さん

オンライン会食の様子。前方のスクリーンに映し出されているオンライン参加者の映像は、テーブル中央の小型モニターにも映し出される。

プランで提供される料理の一例。オンライン側には、クール便で温めるだけでおいしくいただける状態で配送(ドリンクは除く)。
※配送エリアはヤマト運輸配送可能エリアに準ずる、一部離島は対応不可)
※プランの詳細は「クルーズ・クルーズSHINJUKU」HPを参照

「クルーズ・クルーズSHINJUKU」は、東京メトロ丸の内線・副都心線・都営新宿線「新宿三丁目」駅E4出口直結。JR「新宿」駅東口からも徒歩約5分とアクセス至便。

オンライン会食の新形態を企画中に「オウル」と邂逅。
心のつながりを大事にする日本人らしいプランに!

──『オンライン会食“オウル(Owl)インワンパックプラン”』の開発経緯を教えてください。

新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言(2020年4月7日~5月31日)が明け、6月からレストラン営業を再開しましたが、当初は、歌舞伎町でのクラスター発生など“新宿の夜のまち問題”のあおりを受け、外食産業が回復していっても新宿だけはなかなか客足が戻らず、グループ8店舗中、新宿店は唯一の右肩下がりといった状況でした。テイクアウトや宅配なども取り組んでみましたが、思うほど効果は出ずどうすべきか、社内で知恵を出し合うなかでたどりついたのが“オンライン会食”でした。

当初は一般的なWEBカメラとよく利用されているオンラインミーティングサービスを活用して、皆さまに同じお食事をお届けするというプランを考えていました。

正直、グループ内で新宿店が伸び悩んでいるところがあったので、ともかくなんとかしなければならないと、かなり気合を入れてプランを練っていましたね。

──ミーティングオウル(以下オウル)に着目されたきっかけはなんだったのでしょうか?

当社の役員が、「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で報道されていたのを見たことです。ちょうどオンライン会食プランを練っているときだったので、報道では会議に利用されていましたが「これは使えるのではないか?」と発想しました。

一般的なWEBカメラとちがって、オウルのカメラは360度で、しかも、話す人をAI機能でオートフォーカスしてくれる。これはリモートであってもより臨場感をもって、会食を楽しんでいただけるのではないかと感じていました。

プランを検討するなかで、楽しくオンライン会食をするためにカメラは何台設置するのか、スピーカーはどのようにセットするのかと、悩みがあったんです。そこへオウルの情報が飛び込んできて、「これだ!」と発売前にすぐ予約しました。並行して、オウルを活かした会食プランの作り込みを進め、発売初日に届けていただいたオウルで社内テストを行いました。スタートダッシュは、我ながら早かったですね。

自社グループでの会食でトライアルして、その性能を実感。
同じ料理を食べていることが、人と人をつなぐ鍵と確信を得た

──実際にオウルを試されたときの感想をお聞かせください。

届いてさっそく、オウルで会議を行ってみました。店長会など数十名がリアルで集まる会議を、オウルを使ってのオンライン会議にしてみたんです。話す人が変わればAIが自動的に映像を切り替えてくれますし、音声もその人にフォーカスされて聞き取りやすかったですね。いまでは、多くの社内会議がどんどんオンラインに移行しているほどです。オウルが届いた夜には、グループ内でオンラインを交えた会食を開催してみました。

わたしはその会食に、オンライン側(会場に集まらない立場)で出席しました。オウルを置いた会場には6名いたのですが、会食の場合でもオウルならだれが話しているのかわかりやすく、オンライン側から自然に話しかけられました。リアルの場は自然と楽しく盛り上がりますが、その盛り上がりをいかにオンライン側につなげられるかが重要です。その点、通常のオンライン飲み会では、参加者が増えるたびに表示画面が割れ、どんどん小さくなってしまうのが難点だと感じていました。オウルは話している人がフォーカスされ、かつ全員の位置関係がわかるパノラマの映像もあり、どんなふうに盛り上がっているのかが伝わりやすくて、「これは楽しいな」と感じましたね。

私もオンライン飲み会の経験はありましたが、それよりずっと一体感を得られました。もちろん、6人が盛り上がっているのをこちらは一人PCで見ているわけですから、そちらが羨ましかったりもしましたが。ただ、オウルでの会食には会場と同じ料理を食べるというポイントがありました。離れてはいても、同じ時間に同じものを食べて過ごしているという、この感じは新しいな、と思いましたね。オンライン側へおいしいお料理がきちんと届けられるかもポイントでしたが、しっかりテストを重ねて、かなりいいプランにできたと自負しています。

──試験運用により、改善点の洗い出しもできたそうですね。

はい。このテストの際は、モニターはプロジェクターで投影する前方スクリーンしか用意していなかったのですが、それだとどうしても会場にいる全員がスクリーンの方を向いてしまい、オンライン側に横顔ばかりが映し出されてしまったんです。そこで、「テーブル上にもコンパクトなモニターを置いてはどうか」というアイデアが出ました。さらに、飛沫防止のためのアクリル板も、配置によってはオウルのAI認識に影響が出ることがわかったので、そこも工夫しました。

テーブルにモニターを設置したことで、会話の際には目線が自然とテーブル中央に向けられるようになり、配信される映像の面でも、飛沫防止の面でも、いい工夫ができました。

──デリバリーされるお料理に関しても、お聞かせください。調理は簡単なのでしょうか?

お届け先のお客さまに調理の必要がある状態でお届けすると、結局、キッチンにいる時間が長くなって会食を充分に楽しめなくなります。そこで、なるべく簡素化して、調理済みのものをクール便でお送りし、電子レンジでちょっと温めたり、お湯で戻したりするだけで、おいしく召し上がっていただけるように工夫しています。このメニューの開発には知恵を絞りました。

盛り付けにも留意したので、見た目も喜んでいただけると思います。

お料理は、人と人をつなぐ鍵になるんです。皆で同じお料理を食べていただくことが、離れたオンライン先の人とも真につながるための大きな要素だと確信しています。リアルに参加できなくても、またあの日の会食の話題で後日盛り上がることができる。ニューノーマルが叫ばれるいまだからこそ、そんな一体感が得られるオンライン会食プランが必要なのではないかと思っています。

最大で100名近いオンライン会食の実績も!
距離やスケジュールで諦めていた会にもご参加いただけるように

──2020年9月8日にオンライン会食プランの受付を開始されましたが、反応はいかがですか?

良い反応をいただけています。やはり、オンライン先にも同じお料理を提供させていただくということは関心が高いですね。

オウルという新しいアイテムを活用していることにも、興味を示される方はいらっしゃいますね。ご利用いただいた方からも、会冒頭の役員あいさつなどが聞きやすくて助かった、だれが話しているのか一目瞭然で会話が伝わりやすかったというお声が聞かれています。

──幹事の方には、使い方はすぐにご理解いただけますか?

やはり最初はパッとはイメージがわかないようで、予約時にお尋ねになられる方が多いのですが、幹事さまに事前にご来店いただいて体験していただくということも対応しています。オウルにはスマホアプリとの連携機能があるのですが、アプリの操作も、画面を指でなぞるだけなので、皆さん問題なく利用されていますね。例えば、AI任せではなく手動でフォーカスを切り替える機能を使って、先ほどの役員の方のごあいさつ時に映像を固定するといったように活用いただいています。

──お店側としての使い勝手はいかがですか?

電源ケーブルとUSBケーブルの2本をつなぐだけですから簡単です。USBをPCにつないでオンラインミーティングサービスを立ち上げると、あとは自動的にオウルが映像と音声を配信してくれます。PCには特にインストールも必要ありません。こんなに簡単なのかと驚いたほどでした。

──最大何人で実施できるのでしょう?

実績では最大で、オウルを設置した新宿店に6名、銀座店に12名、それにオンラインでのご参加がお料理をお届けした数で60名と、お料理なしで参加された方が10名ほどいらっしゃったということがありました。90名ほどですね。

──それは驚きですね! そこまで大規模で実施が可能なのですか。

本来は大人数のパーティやご宴会に対応できる大型レストランですから、お料理の準備も問題なく対応できます。ご利用が多いのは企業さまの懇親会や総会などで、会場に4~6名、オンラインで20名の計30名というところですね。

──企業以外のご利用ですと、どんなニーズがありますか?

最近、七五三祝いの晴れ姿を、遠方の祖父母にお見せしたいというご家族でのご利用がありました。写真を送る以上のものがあると喜ばれ、大変うれしかったです。成人式、ご入学やご卒業、ご入社など、さまざまな節目の会食にお使いいただけるのではないかと思っています。

わたしどもはお料理を作ってお届けするだけなので、配送範囲内であればどこへでも、何人でも、何カ所でもおつなぎできます。例えば同窓会や、交流会など、コロナ禍でなくても距離の問題やお仕事の兼ね合い、体調面などで実際に足を運ぶのは難しかった会へのご参加も、より気軽にしていただけるようになるのではないかと思います。

──最後に、今後こんなふうにオウルを活用してみたい、こんなふうに進化してほしいというご意見があればお聞かせください。

新宿店、池袋店、横浜店で計3台導入していますので、ご都合の合うお客さまにはお近くの店に集まっていただき、3店舗とオンラインの方をすべてつないでオンライン会食というご提案もしてみたいですね。

音声を拾う範囲は2.5m以内が推奨値なので、リアルの場の人数が増えてテーブルが増えると、テーブルの配置をコの字にするなど運用の工夫が必要になります。同じ部屋にオウルを2台設置し、連携させて広範囲をカバーするような使い方ができるようになるといいですね。