オフィスとリモートに分かれるビジネス環境下で
表情が見えるweb会議の有効性を実感
KDDI株式会社 様
通信とライフデザインの融合により“ワクワクを提案し続ける会社”として、さまざまな事業を展開するKDDI株式会社。2020年9月には、経済産業省などが主催の「イノベーティブ大企業ランキング2020」で、3年連続となる1位を獲得しています。そんなオープンイノベーションの牽引役として、スタートアップ企業などとの共創事業に取り組むビジネスインキュベーション推進部を訪ね、ニューノーマルなビジネス環境のなかでの「ミーティングオウル」活用事例をうかがいました。
ブレストのようなディスカッションでは表情から伝わる情報も重要
──ミーティングオウル(以下オウル)の導入にいたったいきさつを教えていただけますか?
御社、営業担当様から「今度、新しい360度カメラが発売されます」とご紹介をいただき、発売前にデモ機をお借りすることになったんです。
──当時、web会議の開催にあってなにか課題があったということだったんでしょうか?
2月頃からリモートワークになっていましたが、6月くらいには徐々に、一部の人員がオフィスへ出勤するようになりました。全員がリモート環境ではなく一部はオフィス、一部はリモートという環境でweb会議を行なうことが多くなってきました。
──それで、「これは使えるんじゃないか」と1台、試験導入されたということですね。最初はインキュベーション推進部に導入されたのですか?
はい、うちの部署に入れましたが、すぐに「良さそうなので全社の会議でも使ってみよう」ということになりました。インキュベーション推進部と本社は建物が違いますので、本社の会議室にも入れて、いまは全部で3台導入しています。
──オフィスとリモートだと、どういうところがやりづらかったのでしょう?
よく聞いた意見では、例えば10人で会議をするとして、オフィスに4人いる状況だと、リモート側の人が、いま会議室の誰が話しているのかがわかりづらく映像が引き絵になったり声の違いが聞き取りづらかったりするケースがありました。特に、会議室の“場”の雰囲気、空気感がよくわからないというところがありました。
──普段、何名でどのような頻度で会議をされるのでしょうか?
だいたい週に1回ぐらい、10人程度で実施している会議があり、あとは月に1回、部の全員が入る40~50人くらいの会議を行っています。
──特にインキュベーション推進グループのみなさんですと、アイデアのブレインストーミングのような会議も多くなるのでしょうか?
はい、報告中心の会議であれば、一方向で一人が話すことが中心なのでそこまで問題はないのですが、週1回の会議はブレストであったり、まだ企画が“緩い”状態で、みんなでディスカッションするということも多く、そうすると、誰がどういう雰囲気で話しているのかという空気感が伝わらないと、なかなか難しいところがありました。
全員がリモート参加ですと1台ずつのカメラで全員の顔が見えるのですが、オフィスとリモートに分かれた場合、オフィス会議室側の参加者の顔が見えないので話しづらいなと感じていました。
──オウルだと、10人いてもみんなそれぞれの顔が確認できる。
表情がわかるっていうのは、結構大きいと思いますね。オウルがないと、画面の向こうには広い映像しか映らず、基本的には声だけで伝えている状態になるので、それと比べると全員の顔が見えるというのは話しやすいですね。
──コミュニケーションにおいて、表情やしぐさの占める割合が55%というレポートもありますね。
特にブレスト的な意見を出し合うようなミーティングというのは、表情で伝わるものもあるのかなと。「この方向はイマイチっぽいな」とか、言語以外の部分でコミュニケーションのしやすさは出ているのかなと思っています。
話してるときに、相手が楽しそうに聞いているかどうかでもやっぱり変わってくるというのはありますね。
スマートスピーカーのようなシンプルさからAIがもたらす未来的な使用感に驚き
──オウルは動物的な演出がありますが、そのあたりの印象はいかがでしたか?
目も光ったり、起動する際にフクロウのように鳴きますよね(笑)。いわゆるビデオ会議システムみたいなものって、ちょっと仰々しくて壁側に設置されていたりするのが普通ですが、オウルはこのおしゃれというか、割と可愛らしいものを真ん中に置いてというのが、なかなか面白いスタイルだと思います。
最初にデモ機が送られてきたとき、スマートスピーカーかなと思いました。確かに仰々しくなくて、ディスカッションする場だと、空気が重くならなくていいのかもしれないですね。
──実際にデモ機で試してみた際の感想はいかがでしたか?
驚きは感じましたね。私はリモート側で体験したのですが、広角の映像でどこに誰がいるという全体が見えていつつ、AIによる話者へのフォーカスもすごくスムーズでした。音声も非常にクリアで便利で先進的なツールだなと。
個人的には、価格が115,000円(税別)と、安くはない金額なので期待度は高かったですが、1台しかないのに「画面の向こうに4人写っている!?」と新感覚でした。私は会議室側にいたのですが、接続方法は電源とUSBをPCに接続するだけでした。カメラのロックや管理を行うために、最初にスマートフォンの専用アプリとつないで設定はしましたがそれも簡単でした。操作する部分はすごくシンプル。本体もスマートスピーカーのようにシンプルなのに、使ってみたら参加した方がみんなびっくりする。「何ですかそのスピーカー!?」とか最初にひと盛り上がりして、スムーズにディスカッションに入れたという場面も多かったかなと思います。
これまでweb会議のデバイスはそんなに選択肢も思いつかず、それぞれのパソコンでつないでしまえばいいやぐらいの感じでしたから。会議室からなら、webカメラとスピーカーマイクがあればいいんだろうという。
──web会議で1台のスピーカーマイクだと、配置によっては話者の声が遠くなったりしますが、オウルはいかがでしたか?
オウルは会議室の真ん中に設置しています。AIが発話者の顔だけでなく声にもフォーカスしてくれるので、誰が何を話しているのかわかりやすいですね。
──デモ機を使ってみた結果、すぐに本社でも導入が決まったとのことですが、本社ではブレストと違って経営上の結構シビアな会議もされますよね。評判はいかがでしたか?
これまでのwebカメラ1台の会議よりも評判は良いです。ただ、まれにどうしてもAIに声を拾ってもらえない人が出るんです。声の高さや大きさのせいでしょうか。
──そこはAIなので、ユーザーのみなさんが使用されていくことで改善が期待できるようです。専用アプリとつないで更新をかけると、アップデートされる仕様になっています。
アプリは、初期設定の際に利用した以来つないでませんでした。複数の本体の設定ができるのですが、使う部屋がいまのところ1室なのと、会話の稼働状況も確認するほどではなかったので。でも、いまのお話だとAIがバージョンアップされるということですので、弊社のオウルユーザーのためにアップデートした方が良いですね。
──アプリを利用すると「カメラロック」機能も使えますが試されましたか?
最初に試したのですが、それ以来使ってないですが、360度カメラとはいえカメラロックができて、ホワイトボードだけを撮れるというのは便利だと思います。自分でここをフォーカスしたいというところを指定できるのは便利だと思います。
オウルは“場”に話しかけている雰囲気にしてくれるウェビナーにも活用してみたいツール
──ほかにオウルのことで、なにかお感じになられたことはありますか?
いままでのweb会議では基本的にマイクスピーカーに向かって一方向に話す感じになりがちなんですけど、オウルは“場”に対して話している感じになりますね。
そうですね、真ん中にいるので話しやすいんだと思います。
最初に経験した際には、みんな大体「おおっ!」と驚くのですが、それ以降は自然になじんでオウルを意識しなくなるんです。むしろツールとしては、それはいいことなのではないかなと思います。良くも悪くもツールにフォーカスされず、ちゃんと議題にフォーカスできているっていうことなので。
──今後、こんなことに使えそうだなというような事例は思い当たりますか?
ウェビナー(webセミナー)などカンファレンスに非常に良いかもしれないですね。パネルディスカッションは、オウルだと見ていてより面白いものになるんじゃないかなと思います。カメラワークを自動にやってくれるようなものなので、かなり見てもらいやすいものになりそうです。
──最後に、これからこんな風に進化してほしいという機能はありますか?
いまは最大で3分割ですが、そこも選べるといいなと思います。少し小さくはなるけど5分割にできたり、カスタム画面で配信ができるといいですね。
AIで参加者を認識するので、発言者ごとのメモまでとってくれると便利ですね。自動認識で文字化までしてくれたらいいなと思います。